キース→イノセント
「定義できないってのは、こういうことなんだ。音楽なんて、本当は必要のないものだろう。そんなものなくたって、生きていける。でも、ミュージシャンである俺がプレイする音楽を、多くの人が聴きたがってる。そりゃ、うれしいさ。運がいいとも思う。でも、それが何故かなんて、誰にも答えられない。それが、音楽なんだ。定義できないものなのさ。なぜおまえが日本人かっていうような質問と同じことだよ。不可能なんだ。
だからこそ、音楽っていうのは、一点の汚れもないものでありつづけられる。誰にも、それを汚すことはできないんだ。音楽ってのは、そこに存在してるか、それともしてないか。それだけさ。もしかしたら、音楽はそういう意味で、文明の希望を暗示しているのかもしれない。その気になれば、いつだって消し去れるものだからね。少なくとも、保ちつづけるより、消し去るほうがずっと簡単さ。それでも、俺たちには音楽が必要なんだ」
ロックンロール ゲームス/ 山川 健一 (キース リチャーズ インタビューより)
ロック界でキースといえば、言わずと知れたローリングストーンズのギタリスト、キース リチャーズ。1986年頃のインタビュー。キース、なんてイカしてるんだ、そしてイノセント。当時42、3歳のキース、今の私とあまり変わらない年齢だが、このピュアさだ。
なんで今さらこんな古い記事を持ち出してきたかというと、それは定義できない。デジタル化が進み、なにもかもが意味論でとらえられ、勝ち組み負け組みなどと分けられ、少数派は排除される。しかし冗談じゃねーぞ!今こそこんな青臭いイノセントな言葉が重みを増す時だと個人としては思っています。
また、なにかでキースはこうも言っている。「ロックンロールとは伝授すること」。例えばそれは、このようなピュアな精神を下の世代に伝えるということでもあるのではないだろうか。
ミック ジャガーのクレバーさや、リサーチ能力のおかげでストーンズが常に第一線にいるのも事実だが、
今日はキースの気分のままで行かせてくれ! たのむ
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